第52回日本神経病理学会総会学術研究会を2011年(平成23年)6月2日(木)から4日(土)までの3日間、京都テルサ(京都府民総合交流プラザ)(JR京都駅より南へ徒歩15分)にて開催いたします。日本医学会分科会の一つとして、日本における神経病理学の研究を担い発展させてきた歴史と伝統のある本学術研究会の会長を拝命し、身に余る光栄と存じます。
京都の地では過去に3度本学術研究会が開催されました。前回は1990年、第31回学術研究会(第11回国際神経病理学会とジョイント開催)であり、米澤 猛教授(京都府立医科大学病理学教室)が会長を務められました。今回はそれから実に21年ぶりの開催となります。この間に京都もさまざまな変化をとげましたが、平安京以来長きにわたり培われました文化の薫りはそこここに根強く保たれ、はんなりとした魅力を発しております。
ところで、ヒトゲノムプロジェクトの完了以降、ゲノミックスに端を発し、トランスクリプトミックス、プロテオミックス、メタボロミックス、フェノミックス等が造語され、遺伝子から個体の表現型(疾患をも含む)に至るまでの各レベルにおける網羅的・系統的な解析が加速してきております。このような研究の発展を踏まえ、第52回学術研究会では、『オミックス・サイエンス時代の神経病理学』を総合テーマに設定いたしました。特別講演では、米国Miami 大学にて脳神経系の発生・再生に関わるゲノムの網羅的解析で優れた国際的研究成果を上げておられる Vance Lemmon教授による ”Functional Genomics: Phenotypic screening of large gene sets to identify genes that regulate axon growth and branching”、また世界を先導する研究を推進されている独立行政法人理化学研究所・オミックス基盤研究領域プロジェクトディレクター鈴木治和先生による「次世代シーケンサーを用いた神経疾患のオミックス解析」を拝聴いたします。さらにシンポジウムとしては、『オミックス・サイエンスの展開と神経病理学』、『脳形成障害とオミックス』の二つを企画いたしました。
脳神経系の病理学の研究に基盤を置く本学会が、オミックス・サイエンス研究の急速な展開の中で一体どのような役割を期待されているのか、神経科学の中に位置付けられる学問領域である神経病理学の将来を展望し、会員の皆様とともに活発に論じあえる3日間にできればと願っております。
今回は初めての試みとして、本学会神経病理コアカリキュラム委員会の企画による教育セミナーを初日に設定いたしました。本学会外の方々でありましても神経病理学を学びたいという志をお持ちの皆様に広く門戸を開いておりますので、奮ってご参加くださいますようご案内申し上げます。また学会2日目には、豊かな文化の薫るまち、京都の利点を生かした懇親会を計画いたしておりますので是非ご参加ください。なお、本会の開催にあたりまして、副会長 福居顯二教授(京府医大・院・精神機能病態学)、中川正法教授(京府医大・院・神経内科学)の力強いご支援・ご協力を賜りましたことをここに記し、深く感謝申し上げます。
第52回学術研究会への多くの皆様のご参加を心から歓迎いたします。
2010年 10月吉日

第52回日本神経病理学会総会学術研究会
会長 伏木信次
(京都府立医科大学大学院分子病態病理学・教授)

