日本うつ病学会 Japanese Society of Mood Disorders
HOME > ご挨拶
日本うつ病学会理事長からのご挨拶

 平成16年に発足した日本うつ病学会の理事長を、初代の上島国利教授以来、野村総一郎教授、神庭重信教授がつとめて参りましたが、平成26年7月20日をもって、尾崎紀夫が拝命致しましたので、一言ご挨拶させて頂きます。

 日本うつ病学会の英語名、”Japanese Society of Mood Disorders”が示す様に、”Mood Disorder”すなわち「気分」の変化を主な症状とする、うつ病と双極性障害(かつての「躁うつ病」を含む)に関する学術活動が本学会の役割です。

 我が国では、約100万人の方々がうつ病あるいは双極性障害の治療を受けておられ、ご本人と周囲の方々に大きな苦しみを引き起こすと同時に、自殺、長期休務・休学、就労・就学能力の低下などの誘因になるなど、両疾患が引き起こす社会的損失は甚大です。また、心循環系疾患、糖尿病や癌など身体疾患の患者さんは、うつ病もしくは双極性障害をあわせて患っておられることも多く、併発することで身体疾患の治療経過に悪影響を与え得る一方、適切に介入することで身体疾患の予後が改善すると報告されております。すなわち、広く保健・医療に関わる者は、うつ病と双極性障害に精通することが求められております。

 うつ病と双極性障害は、主症状が気分の変化であるという共通点を持っておりますが、両者の治療法は異なるため、両疾患を鑑別した上で、治療方針を立てることが必要です。また、身体疾患や医薬品によって同様の症状を呈する場合があり、特に高齢者の方に起こるうつ病は、認知症との鑑別が重要です。さらに、うつ病と双極性障害は、他の精神障害である不安症、アルコール関連障害、パーソナリティ障害、神経発達症を併存することも多く、その点を踏まえた治療方針の決定が必要です。したがって、うつ病と双極性障害のみならず、関連する精神障害に関する情報を得ることも求められます。

 うつ病と双極性障害の診断法、治療法、予防策は万全、とは言えないのが現状で、ご本人・ご家族の苦痛と社会的損失を軽減するため、未だ解明されていない、病態の究明は不可欠で、多方面の研究者の更なる参画が必要です。

 日本うつ病学会は、医師や医学研究者のみならず、保健師、看護師、臨床心理士など、幅広い分野の会員から構成されておりますが、一層広範な領域の方々に参加して頂き、うつ病と双極性障害に関する、より良い保健・医療の提供と、精度の高い情報発信を実現したいと考えております。

 日本うつ病学会へのご参集と、会員各位のご協力を、心からお願いする次第です。

2014年7月吉日
日本うつ病学会
理事長 尾崎 紀夫
▲ TOP
個人情報保護法に対する方針 Copyright © 2006 Japanese Society of Mood Disorders