日本うつ病学会 Japanese Society of Mood Disorders
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日本うつ病学会理事長からのご挨拶

 このたび2018年7月26日をもって、日本うつ病学会の理事長を拝命いたしました三村でございます。初代の上島国利先生以来、野村総一郎先生、神庭重信先生、尾崎紀夫先生と、この領域の指導的立場におられた先生方の後を継いで、第5代の理事長となり、身の引き締まる思いですが、就任にあたり、一言ご挨拶させて頂きます。

 日本うつ病学会の前身は2003年に設立されたうつ病アカデミーという研究会ですが、翌2004年には早くも学会化されました。それ以前からうつ病や双極性障害は精神科・心療内科領域で大きな関心事でしたが、特に21世紀を迎える頃から日本の医療機関を受診する方の数が飛躍的に増え、2008年には100万人を超えるようになっています。うつ病や双極性障害はその意味でもまさに現代的疾患と言えます。さらに、症状そのものによる苦しみとともに、自殺や長期休務・休学、ご家族の疲労、対人関係の悪化など、さまざまな社会的影響をもたらすこともクローズアップされてきました。このような中でうつ病や双極性障害の病態や治療、心理・社会的問題に対する関心を共有し、これらを学際的に共通の場で話し合おうとする機運が高まってきたものと考えています。

 私自身はこのような日本うつ病学会が産声を上げた当時、昭和大学に勤務していました。恩師の上島教授がうつ病アカデミーを創設され、さらに日本うつ病学会の初代理事長となる中、上島理事長のもとで、中込和幸准教授、平島奈津子講師、大坪天平講師(いずれも当時の役職)たちと黎明期の本学会の運営に携わりながら、うつ病や双極性障害に関する多くのことを学ばせていただきました。このたび、上島理事長、そして総務委員長を務めておられた樋口輝彦先生が尽力された本学会の理事長を拝命することに深い縁を感じるとともに、本学会の発展に全力を尽くして、少しでも恩返ししたいと考えている次第です。

 本学会を支えている者は人と人とのつながりです。うつ病や双極性障害は他の精神疾患との鑑別のみならず、さまざまな精神科的病態との併存が問題となります。統合失調症や不安障害は言うに及ばず、パーソナリティ障害、薬物依存・行動嗜癖、発達障害、認知症などのエキスパートとのクロストークが必須です。さらに、精神科や心療内科にとどまらず、がんや糖尿病、神経系疾患、心循環系疾患など、さまざまな身体科の医師との連携も不可欠です。また、看護師・保健師、臨床心理士、社会福祉士など、多職種の人が力を合わせることが問題を解決する大きな原動力であると考えます。今後もさらに多くの領域の方々に参加して頂き、うつ病・双極性障害の当事者の方やご家族を支援し、より良い保健・医療の提供と精度の高い情報発信を実現していきたいと思います。

 本学会は、近年では、下田光造賞や日本うつ病学会学会奨励賞などに示されるような、うつ病・双極性障害に関する優れた学問的発信とともに、国際的な連携活動、治療ガイドラインの整備、市民公開講座の開催など、きわめて幅広い啓発的発信を行っています。これらの根底にあるのは10以上に及ぶ委員会の非常に活発なアクテイブな活動にあると思います。

 このような日本うつ病学会の活動にご理解・ご協力いただくとともに、ぜひ多くの方に総会にご参集いただくことを心からお願い申し上げる次第です。

2018年8月吉日
日本うつ病学会
理事長 三村 將
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