第69回日本癌学会学術総会を平成22年(2010年)9月22日(水)〜24日(金)の3日間、大阪国際会議場・リーガロイヤルホテルにて開催させていただきます。大阪の地での癌学会は1992年の第51回学術総会を豊島久眞男先生が開催されて以来、実に18年ぶりとなります。大阪大学のみならず関西一円の先生方にご協力いただき、大阪らしい学会作りを進めているところであります。 皆様ご存知のとおり、近年の生命科学の発展にはめざましいものがあります。一方で、長年臨床家としてベッドサイドに携わったものとして、これらの溢れんばかりの知的活動の素晴らしい成果が、目の前の患者さんに活かされているかというと必ずしもそうではないように感じております。がん研究が進歩して、細分化・専門化は進んでいる現在、その成果をいかに効率的また効果的にがん患者さんの希望に繋げてゆくかを考える意味で、学術総会のキャッチフレーズを「がん征圧へ向けての知の統合」(Conquering Cancer with Collective Wisdom)といたしました。これにはがんの基礎研究者・臨床研究者、関連学会、企業、行政などが一体となって取り組む環境整備と相互理解に基づいた連携が必要であろうかと思います。 近年の日本癌学会の参加者の記録を見ますと少しずつ減少傾向にあり、これには臨床系のがん研究人口の減少が一因となっているものと推察されます。高度な専門性をもつ最先端の内容を提供するのは本学会の重要な役割でありますが、同時に日進月歩のがん研究の流れを一般臨床家にも広く理解していただき、共にがん征圧を目指すことも責務の一つであると考えます。そこで、本大会では“がん研究入門コース”を新たに設けました。このコースでは、まとまったがんの知識の整理をしていただけるよう3日間を通じて会場を固定するように配慮しております。これらの企画を通じて、若手研究者はがんを基礎から学び、臨床系の参加者も専門外分野を含めたがんの「知」の統合に役立てていただければ幸いです。 特別講演には鷲田清一先生(大阪大学総長)より‘生まれること、死なれること’、田中啓二先生(東京都臨床研)より‘たんぱく質の分解と生命科学’についてのご講演をお願いしました。AACR(米国癌学会)とのジョイントシンポジウムもグローバルながん征圧の観点からは欠かせないと考え、Invasion& MetastasisをテーマにMemorial Sloan-Kettering Cancer CenterからJoan Massague博士を、MITからRobert A. Weinberg博士をお招きし、日米双方から世界最先端の知見を提供するセッションを予定しております。更にOhio State UniversityよりCarlo M. Croce博士をお招きし、microRNAをテーマとした関連シンポジウムを企画いたしました。 「がん征圧へ向けての知の統合」に欠かせないのは、多分野にわたる参加会員の皆様のご発表とご討議であることは言うまでもありません。何とぞ積極的なご参加をお願い致します。またより良い学術総会とするために、ご意見を賜りますよう願い申し上げます。 最後に、すべての本会会員の皆様方ならびに本大会の開催に尽力していただいた多方面の諸氏に深くお礼申し上げます。 |





