産業技術総合研究所
  • 日時
    • 2007年2月15日(木)13:00 - 17:00
  • 場所
    • 秋葉原ダイビルコンベンションホール
      JR 秋葉原駅前ダイビル2F
  • 参加費
    • 参加費無料
  • 首都圏地震シンポジウム     
    • 1.オープニング挨拶
      小玉喜三郎 副理事長(産総研)
    • 2.首都圏のプレート構造と地震
      遠田晋次(産総研)
    • 3.首都圏の活断層−特に立川断層と深谷断層について
      水野清秀・宮下由香里(産総研)詳細を見る
    • 4.首都圏の海溝型地震と津波−その頻度と将来予測
      宍倉正展(産総研)詳細を見る
    • 5.関東大震災とその教訓
      武村雅之(鹿島建設)詳細を見る
    • 6.関東平野の基盤構造の成り立ちと地震防災
      高橋雅紀(産総研)詳細を見る
    • 7.関東を襲う大地震とその強い揺れ
      古村孝志(東大地震研)詳細を見る
    • 8.首都圏の浅い地盤の生い立ちと揺れやすさ
      木村克己・関口春子(産総研)詳細を見る
    • 9.総合討論
      司会 杉山雄一(産総研)
    • 10.クロージング挨拶
      加藤碵一 理事(産総研)
  • 主催
    • 独立行政法人
      産業技術総合研究所(産総研)
  • 後援
    • 経済産業省・朝日新聞社
  • お問合わせ
    • 登録に関するお問合せはこちら
      首都圏地震シンポジウム参加登録事務局
      TEL : 03-3263-8695 FAX : 03-3263-8693
      Email : jisin@secretariat.ne.jp
      ※下記オンライン登録ができない方は「首都圏地震シンポジウム参加登録事務局」まで
        御連絡下さい。


      シンポジウム内容に関するお問合せはこちら
      産総研広報部
      TEL : 029-862-6214
      Email : pr-ex@m.aist.go.jp
  • 申し込み
    • 「首都圏地震シンポジウム」参加申込は定員のため受付を終了させて頂き
      ました。また大変申し訳ございませんが、当日の参加申込の受付はお断り
      しておりますのでご了承下さい。お申込ありがとうございました。

首都圏のプレート構造と地震
遠田 晋次(産業技術総合研究所 活断層研究センター)
関東地域は日本列島で最も地震活動が活発である。一方,地震発生の仕組みは複雑でよくわかっていない。地表では,陸側のユーラシアプレート,南のフィリピン海プレート,東の太平洋プレートが「見える」が,関東の地下でこの3者がどのようにひしめき合っているのか,直接観察できない。80年代以降,この「見えない」地下のプレート構造をめぐって様々なモデルが提示された。現在公表されている想定被害地震はそれらの1つ(石田モデル)に基づいている。最近,我々の研究グループは,膨大な地震データと地下の地震波速度変化を可視化するトモグラフィー技術を用い,プレート構造を3次元的に復元した。その上で,フィリピン海プレートと太平洋プレートの間にさらに1枚小さなプレートが存在する可能性を指摘した。この小プレートは関東平野直下の深さ30〜100 kmに位置し,日頃発生する茨城県から千葉県北部の地震の多く(地震の巣)を合理的に説明する。また,東京直下の2005年7月のマグニチュード6.0の地震や,1855年安政江戸地震(推定マグニチュード7.2)も小プレートと太平洋プレートの接触面から発生したと考えている。

首都圏の活断層−特に立川断層と深谷断層について
水野 清秀(産業技術総合研究所 地質情報研究部門)
宮下 由香里(産業技術総合研究所 活断層研究センター)
兵庫県南部地震にみられるように,活断層は直下型地震を発生させます。活断層がいつ,どのくらいの大きさの地震を引き起こすのかは,断層の近傍を発掘して地層の変形などから推定します。私たちは,関東地方の活断層について,トレンチ調査やボーリング調査などを行い,断層活動史を解明してきました。しかし,その活動は必ずしも明確になったものばかりではありません。例えば,立川断層の最新活動は,トレンチ調査からは1.2〜1.4万年前と推定されましたが,断層運動で川がせき止められてできた地層からは1,400〜1,800年前頃であった可能性が指摘されています。一方,深谷断層のような大規模な活断層は,堆積盆地の形成に関わっていることが多く,盆地の地下から得られる豊富な地下水は断層運動の賜物(たまもの)と考えることもできます。活断層をどのように捉えればよいのか,立川断層と深谷断層を例に紹介します。


首都圏の海溝型地震と津波−その頻度と将来予測
宍倉 正展(産業技術総合研究所 活断層研究センター)
首都圏に大きな被害を及ぼす海溝型地震として,歴史的に知られているのは,1923年関東地震(関東大震災)である。その220年前には,さらに規模の大きい1703年元禄地震が起きている。これらの地震は房総半島や三浦半島で地盤の隆起を伴い,その痕跡が沿岸の地形に残されている。同様の隆起の証拠はさらに過去約7000年前までさかのぼることができ,同じ震源でくり返し地震が生じていたことがわかる。一方,津波もこれらの地震に伴って起こり,史料や沿岸の地層の痕跡として記録されている。これらの地震に伴う津波のほかに,日本海溝沿いや遠く北米や南米大陸沖合で生じた津波も太平洋沿岸に襲来することがある。本講演では,これらの歴史記録や地形・地層に残された過去の地震・津波の証拠について紹介し,履歴やそれに基づいた将来予測について述べる。

関東大震災とその教訓
武村 雅之(鹿島建設株式会社 小堀研究室) 

関東大震災は,耐震基準や首都東京の中心部の街組をつくる原点となり,現在の日本社会にもっとも大きな影響を及ぼした災害である。同時に,火災と建物倒壊の関係,死者発生のメカニズム,関東一円の地盤の揺れやすさ,土砂災害の発生地点とその影響,津波の予防策など、地震災害の全てにわたり多くの教訓が残されている。ほぼ15年前、基礎となるデータとともにそれらがほとんど現代に伝えられていないことに気がついた。振り返れば、この未曾有の大災害に際して、後世に正確な情報を伝えようとした我々の大先輩の執念は並大抵のものではなかったことが身にしみる。果たして我々は彼らの思いに応えられているのだろうか? また今、大地震が起こったら、身を賭してでも後世にデータを残すという準備はできているだろうか? 過去を知り明日に備える! 今も続く地震研究者と社会との関わり方について自戒も込めて考えて見たい。


関東平野の基盤構造の成り立ちと地震防災
高橋 雅紀(産業技術総合研究所 地質情報研究部門) 

東北日本と西南日本の境界に位置している関東地方の成り立ちは,今からおよそ1500万年前の日本海の拡大時期にさかのぼります。このとき,関東地方の固い基盤は無数の正断層によって分断され,多数の凹みが形成されました。局所的に発達した基盤の凹みは厚い堆積層により埋め尽くされ,さらに関東平野の全域を柔らかい堆積層が覆っています。所によっては5000 mを超えるこの厚い堆積層の下には,日本海の拡大時期に形成された基盤の凹みが隠れていています。大地震のときに,この基盤の凹みによって長周期の地震動が増幅される可能性が危惧されています。

首都圏を襲う大地震とその強い揺れ
古村 孝志(東京大学 地震研究所)

私たちの住む平野は,地震が起きるといつも大きく長く揺れる特徴があります。昔の河川の流路のそばや埋め立て地のように,地盤の悪い場所では,さらに揺れが大きくなるおそれがあります。1995年兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を契機として,日本列島には,大地震の揺れを監視するための地震計と震度計が高い密度で設置されました。これにより,2003年新潟県中越地震や2004年紀伊半島南東沖の地震において,周期6〜12秒の長周期地震動が関東の厚い堆積層で生まれ,都心の超高層ビルや湾岸の石油タンクを大きく長く揺らしたことがわかりました。大地震の発生に備えて,活断層調査や平野部の地下構造調査が進められています。そして,これらのデータを用いたコンピュータシミュレーションにより,過去の大地震の揺れを再現し,そして将来の大地震の揺れを正確に予測する研究が進められています。本講演では,高密度観測データとシミュレーション結果をCG動画を用いてビジュアル表現し、首都圏を襲う大地震の揺れの特徴を紹介します。

首都圏の浅い地盤の生い立ちと揺れやすさ
木村 克己(産業技術総合研究所 地質情報研究部門)
関口 春子(産業技術総合研究所 活断層研究センター) 

関東大震災では,谷底低地や隅田川以東の下町低地など,いわゆる地盤の悪い地域で甚大な建築物被害が発生した。地盤が悪い原因は,軟弱な沖積層で構成されているためと考えられている。沖積層は最も若い地層であり,約2万年前の最終氷期最盛期以降に形成された。では,沖積層が厚いほど地盤は悪く,地震の時に揺れやすいのだろうか? 関東大震災の例でも,実際は沖積層が厚くても地震による被害が軽微で,逆に薄くても被害が甚大な場合が少なくない。この謎を解くため,我々は沖積層の成り立ちにまでさかのぼって研究を行ってきた。その結果,首都圏の沖積層は,関東平野の奥まで入り込んだ奥東京湾の形成・変遷と関連して,干潟や内湾環境で厚い泥層が堆積したところがあれば,砂嘴やデルタ前面で厚い砂層が堆積したところもあるなど,多様な層相(地層の顔付き)を示すことが明らかになってきた。こうした層相の違いは地盤の強度を大きく左右し,地震被害とも強い相関が認められる。本講演では,産総研「都市地質研究プロジェクト」の研究成果に基づいて,首都圏の沖積層の成り立ちと層相の特徴,そして,これらに基づいて作成した3次元的な地盤モデルと地震動予測の結果について紹介する。